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2020.09.15 Tuesday

脳の不思議・・お釈迦様の脳まで(その六)

脳の不思議・・お釈迦様の脳まで(その六)

本庄 巌 

 

 最後に心のありかについて考えてみます。雪舟の慧可断臂図にも描かれている慧可が、ある時、達磨に心の不安を訴えます。しかし達磨に治してやるから心を持って来いと言われ、はたと困ったという話があります。慧可はそのようにつかまえにくい心に捕らわれる愚かさを悟ったとされます。

 生理学の教科書に心の場所についての記載は見当たりません。心は脳だけにあるのではなく、心臓や腸などの内臓を含め体全体に張り巡らされた神経のネットワークが働いた時、心というものが生まれるのでしょう。

 瞑想で心の平安や安らぎをもたらすのは、脳内神経物質であるセロトニンの分泌が増加するためということが証明されています。瞑想は副交感神経を高め、心拍数を減らし血圧を下げるなどの効果も見られます。

 キリスト教やユダヤ教あるいはイスラム教では、信仰の対象は神であり、これに対して祈りをささげ救いを求めます。しかし釈迦の教えを受け継ぐ禅では、信仰の対象は自身の内部、すなわち脳に向けられているように思われます。

「衆生本来仏なり」という白隠禅師の言葉のように、お釈迦様はご自分が到達された悟りの境地に、我々を導こうとするはからいがあるようで、その方法として坐禅、瞑想によって自己の脳をコントロールする禅があるといえるでしょう。

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