人間禅道場における茶碗作り(7)
JUGEMテーマ:陶芸
人間禅道場における茶碗作り
丸川春潭・佐瀬霞山
人間禅本部道場における陶芸の歴史の第一期は耕雲庵英山老師の作られた窯で作られたものであり、現在の窯は第二期になります。その第二期が始まる前の経緯すなわち第二期前夜についての第二報です。今回は京都慈眼窯での三年間の作品をご紹介します。
7.京都慈眼窯での作陶(その2)――第二期本部道場窯設置前夜(第二報)――
丸川春潭
2011年夏から慈眼窯での作陶を始めました。第一作は大きくなりすぎ、第二作は小さくなりすぎました。二回の経験で、2011年の秋以降では大体大きさと重さの見当が付き、まずまず茶碗として使える茶碗ができました。
次の写真は、2012年9月の作であり、それなりに大きさと重量も茶碗になっています。これは刷毛目(はけめ)という伝統的な茶碗の模様の付け方で、太い筆に白の釉薬をたっぷり付けて一筆で刷毛目を着けたものです。慈眼先生が使われていた筆をお借りして描いています。夏茶碗の一品であり、本部所蔵です。
次の写真は、2013年1月の作品であり、最初の香炉の写真の傍に玉芳という名の茶碗がありますが、これも同じ2013年の茶碗(2015年に北寮建設資金での醵金の一環でお買い上げになっている物)です。この頃はひねりの段階で薄く作れず、重量削減のために面取りをしているのです。金峰庵老師お気に入りの茶碗ですが、本部所蔵になっており、銘は「春風斬」であります。
次の写真は、三年目の確か最後の窯の物だったと思います(2014年8月)。三年間で初めて慈眼先生から良い茶碗ができましたよ! と評価頂いた茶碗です。志野の土で志野焼きの風合いが少し出ています。銘は「法爾」であり、本部所蔵です。
慈眼窯での3年が経過した頃、先生が腰が痛くなり窯焼ができなくなりました。そして作陶をおやめになる決断をされました。これで必然的に慈眼窯での小生の作陶は終わることになりました。
そして慈眼先生は、作陶に関する全ての設備道具を人間禅に寄付すると申し出されました。これが本部道場陶芸の第二期幕開けになるのであります。
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